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2018年01月

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2018年01月

PRESS #7 全日本大会 ヒーローインタビュー

 皆さんこんばんは!新年も1か月が過ぎようとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

 さて、やや時間が空きましたが、先月の第17回全日本大学ディベート選手権大会は無事盛況のうちに終えることができました。選手の皆さま、および関係各位の皆さま、誠にありがとうございました。

 

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 CoDA PRESSでは、2回にわたり全日本大会の振り返り企画を行っていきたいと考えております。今回は、「第17回全日本大学ディベート選手権大会 ヒーローインタビュー」と題して、優勝及びベストディベーター賞を受賞された創価大学チームの園山幸一さん、及び主に関西で活動され大学ディベート貢献賞を受賞された東井一平さんにお話を聞いてきました!

 

 

優勝・ベストディベーター賞 園山幸一さん

 

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――優勝、ベストディベーターおめでとうございます!

 

 僕が大会に出場し、ディベートをすることができるのは、多くの方のご尽力があってのことです。お世話になった方々、僕が関わらせていただいている全てのディベーターに感謝しております。そして、今回の結果は、チームを組んでくれた頼もしい後輩二人のおかげです。彼等とこういった経験を共有でき、心から嬉しく、誇りに思います。

 

――決勝戦では、他の論題ではあまり見られないような国家のリソース配分をめぐる議論も登場しました。「難民認定」という論題の難しさ、ないし楽しさなどにつき、感じたことがあれば教えてください。

 

 論題について調べる程に難民の置かれる状況の悲惨さを知り、早急な解決の必要がある問題と感じました。一方で、ある一人を難民として認定することそのものは、コストを除きほとんど弊害がありません。そのため、ディベートではしばしば、論題採択時のメリットとデメリットを主張し、その比較を行いますが、今回は、この枠組みにとらわれずにディベートをすることについて考える良い機会となりました。メリットやデメリットと称される議論が、論題を肯定するか否かに影響を与えるのは、かかる論点が、その行為をすべき、若しくは、すべきでない理由となり得るからであり、あくまで一手段でしかありません。単純に行動の影響を考えるだけでなく、日本で難民認定を行うという選択が本当に望ましいかを検証することは、重要な経験であると感じました。僕等が決勝で主張したアプローチも選択肢の一つに過ぎないという点が、この、難民認定の基準を大幅に緩和すべき、という論題の特色だと思います。

 

――大会に向けて、どのようにチームで準備をしてきたのかについて教えてください。

 

 8月にこの論題と出会ってから、否定側でどのような議論を展開するかがずっと悩みの種でした。練習試合に向け、チームメイトと話している中で、先程話題に上った、難民支援に対する国家のリソース配分の効率性を問うという着想に至り、そのようなテーマの文献を中心にリサーチを深めていきました。しかし、この難民受け入れ費用を資金拠出するという方針は、対抗政策として非常に抽象的であるため、中々議論を形にすることができませんでしたが、練習試合をすることで、ジャッジの方や他チームからアドバイスをいただき、また、僕等の中でも必要な論点を整理することができ、何とか戦えるものにすることができました。

 

――最後に、園山さんの思う「ディベートの魅力」をお聞かせください!

 

 ディベートは、1)確かな証拠と論理に基づき、2)思考過程を批判的に検討し、3)より良い結論を目指すもので、それぞれ重要な意義があると考えています。第一に、世に溢れる情報について、その正しさを吟味する能力を高めることができます。ディベートは、社会問題が論題となることも多く、適していると思います。第二に、肯定否定双方の立場で考えるため、批判的意見も、論理的に正しければ受け入れ、考えの欠点を自覚するという素養が磨かれます。第三に、意思決定のトレーニングになります。特にディベートは、通常の討論と異なり、限られた時間の中で必ず結論に至るものであるため、その時点での最適解を考える格好の訓練となります。

 そして、ディベートは努力した分だけ、自分に返ってきます。反対に、中途半端な姿勢では、得られるものは少ないです。だから、一度はディベートに携わっていても、自分で限界を決めてやめてしまえば、身についたものは簡単に離れていきます。

 僕は、これからもずっと、生涯現役で、ディベートに取り組み続けます。

 

 

大学ディベート貢献賞 東井一平さん

 

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――ディベート貢献賞、おめでとうございます!

 

 ありがとうございます。大会・練習会の運営を評価していただいたとのことで、大変名誉なことだと感じています。また関西練習会運営室を開始された先輩方やメンバーの活動が認められたように感じ、尚一層喜ばしいです。

 そしてこの活動を続けることが出来たのも、ジャッジ・スタッフの方々や会場提供していただいた各団体様、大会の後援していただいたCoDA様など、数多くの支援を頂いた御蔭です。この場を借りて御礼申し上げます。

 

――東井さんは、関西のディベート大会や練習会の運営に継続的に関わられています。そうした運営やコミュニティの維持の中で、意識されていることなどはありますか?

 

 選手のニーズに合った大会・練習会を開催することです。練習会は参加しやすい会場や日程の調整、大会はそれに加えて関西での大会参加といったことを考えていました。ただ目の前のニーズに終始し、中長期的な展望を描けていなかったと思います。そういった点も考慮出来れば、もっと良い運営が出来たかもしれません。

 

――全日本大会の特別企画でも、地方のジャッジ不足などに言及がありました。東井さんから見て、関東以外の地方でディベートを広めていく上での今後の課題はどういったものがありますか?

 

 いくつか存在するとは思うのですが、今回は「大会」に着目したいと思います。あくまで関西という一地方を見てきた中で、私自身の経験も一部含んだ中での指摘となりますが、お許しください。

 大会について考える前に、まず選手がディベートを続けている理由を探っていきます。理由は様々にありますが、私は大きく2つに分類出来ると考えています。「成長」と「楽しさ」です。ディベートを通じてロジカルシンキングやリサーチが上達します。試合でのスピーチやあれやこれや考えることは実に楽しいものです。その集大成としてCoDA全日本大会やJDA大会等が存在し、一般的には大会に向けて準備を進めていくことになります。では、地方チームが上記2つを大会において満たすことが出来るのか。

 前提として、地方チームは大会・練習会参加のために高い交通費・宿泊費等を支払うこととなります。そのため、目標となる大会にはそのコストに見合うだけの魅力が無ければいけません。では肝心の大会自体はどうか。多くの場合、地方の選手は人・情報などの面で不利になり、勝利を重ねることは難しいのが現状です。なかなか目に見える結果が出なくても成長したと心の底から思えるか、ディベートを楽しめるか、と言われると「応」と返すことは難しいのではないでしょうか。

 勿論、地方チームであっても経験や熱量で上位に食い込むことは可能です。ただそのためには相応の時間と正しい努力が必要となります。そこまでの熱量をサークルにかける(かけたい)人ばかりではないでしょうから、ディベートの長期的普及には程々に関わりたい人にとっての目的・目標が必要になると感じています。それは地方大会や即興大会、或いは普段のサークル活動なのかもしれません。

 

――最後に、東井さんの思う「ディベートの魅力」をお聞かせください!

 

 ディベート自体の魅力については様々な方が語っていらっしゃると思うので、変化球的魅力を挙げさせていただきます。それは「ロジカルな会話を楽しめる方に出会える点」です。

 日常生活において、私たちは常にロジカルな発言をする訳ではありません。社会的慣習に基づく発言を求められるケースもありますし、ロジカルに話したくないという人との関係では自粛せざるを得ないでしょう。さらに一般的に日本人はロジカルシンキングに慣れていないと言われます。日常の些細な会話においてもロジカルに、常識外の発想も気軽に、話せる。そういった会話を楽しめる方が私含めてディベーターには多いと感じます。とても良い、得難い経験になるのではないでしょうか。

 

 

 いかがでしたか?競技者、及び大会等のオーガナイザーとして一線で活躍されている大学生のお二人は、やはり広い視野で問題意識を持たれているようですね。

 たとえば、ディベートをするにあたり「人や情報」が重要になることが、お二人のお話から伺えました。園山さんが練習試合をよく活かして優勝を果たされたことは、東井さんが地方のディベートについて持たれている問題意識と繋がるものがあります。CoDAとしてもオンライン練習試合等のインフラを提供できるよう努力しているところですが、まだまだ他のアプローチも含め長期的に取り組んでいくべき課題であろうと考えています。

 

 改めて、インタビューにお答えいただいたお二方はありがとうございました!

 

 さて、次回は、全日本大会に観戦に来られたお客様に寄稿を頂き、「ディベート観戦」の持つ魅力に迫ってみたいと思います。本年もCoDAとCoDA PRESSをどうぞよろしくお願いいたします!

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  2018/01/27